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Psoriatic alopecia ②

乾癬の際にみられる脱毛症状について解説した総説の紹介、Part2です。

今回は組織学的な変化を紹介します。

S.M.C. George, M.R. Taylor and P.B.J. Farrant:
Psoriatic alopecia; Clin Exp Dermatol 40, 717-721 : 2015
(参考   Runne U, Kroneisen-Wiersma P. Psoriatic alopecia:
acute and chronic hair loss in 47 patients with scalp psoriasis.
Dermatology1992; 185: 82–7.  ⇒ 写真参照) 

脱毛が生じた乾癬病巣の組織学像は脱毛の病期によって異なります。

高度な病変が長期に継続した場合には瘢痕を形成します。

一般的な変化は以下の通りです。
典型的な乾癬の変化が毛包間の表皮にみられます。
脂腺が小さくなり、数が減少します。
退縮期、休止期毛が増加します。
毛包のミニチュア化があります。
毛包周囲にリンパ球、組織球が浸潤します。
毛包漏斗部が開大し、漏斗部上皮が菲薄化します。

瘢痕性脱毛を起こした場合には
毛包漏斗部、毛包峡部周囲に炎症細胞浸潤があります。
毛包上皮が破壊され、脂腺が萎縮あるいは消失します。
毛包上皮が消失し、毛幹が真皮内に露出し、肉芽腫性炎症が起きます。
毛包が線維化します。

一般的に乾癬に関連した脱毛は、乾癬の治療により改善することが多いので、
早めに治療を開始することが必要です。
長期間続く頭皮の乾癬病巣は瘢痕性脱毛を起こすことがあるので、
治療を継続することも肝要です。