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成人の食物アレルギー

成人の食物アレルギーについて

小児の食物アレルギーの主な原因は鶏卵、乳製品、小麦であり、加齢とともに耐性を獲得し、アレルギー症状は改善してきます。
一方成人の食物アレルギーは、頻度は低いものの、甲殻類、小麦、果物、魚類、そばなど原因は多彩であり、その病態も多様です。
成人になってから発症する食物アレルギーでは原因を特定し、病態を理解しておくことが大切です。
当院では主に原因食物の検索を行っています。

成人食物アレルギーの疫学

「平成27年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書」1)によると全年齢では4,644名の食物アレルギー患者さんのうち、0歳が1,366名で29.4%と最多でした(図1)。
6歳までが総数の79.9%を占め、食物アレルギーは小児に多い疾患であることが分かります。
18歳以上の食物アレルギーは273名(5.8%)でした。
18歳以上群では女性が70%を占めていました。

(図1)
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原因

図2に年齢別の食物アレルギー原因食物1)を示します。
加齢に伴い、原因食物が異なることが分かります。
乳幼児期は、鶏卵、牛乳が多くを占めますが、小児期、思春期になるとともに減少します。
18歳以上では小麦23.8%、甲殻類19.0%、果物類17.2%、魚類9.2%です。
上位3-5品目の全体を占める割合は、年齢とともに少なくなります。
すなわち年齢の上昇とともに原因食物が多様となっていることが分かります(図2)。

(図2)
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症状・病型

一般に食物アレルギーといえば食物摂取後のじんましんや咽喉頭の違和感、息苦しさや気分不良など即時型反応がよく知られています。特に乳児から小児期での典型的な症状は即時型反応によるものであり、成人でも生じます2)(図3)。
しかし成人ではじんま疹やアナフィラキシーなどの即時型症状のほかに食物依存性運動誘発アナフィラキシーや花粉関連食物アレルギー症候群を含む口腔アレルギー症候群など特殊型といわれる反応が多く認められます3)(図4:文献3より)。
また食物摂取後にアレルギー症状が発症しますが、原因が食物でない場合もあります。
魚アレルギーを疑われた例が、実は海産物に寄生するアニサキスに対するアレルギーである場合や、ダニが繁殖した粉製品より調理した料理を食することでダニに対するアレルギー症状が起こることがあります。

(図3)
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(図4)
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診断

受診時にはすでに症状が消失していることが多く、クリニックでの対応は原因食物の特定が主体となります。
食物アレルギーの病型を踏まえて原因食物を特定する検査を進めていきます。

問診

アレルギー症状の発症状況の問診が大切です。
生じた症状、疑われる食物、料理中に含まれていた材料、食物摂取からの症状発生までの時間、薬剤内服歴、食物摂取後の運動の有無、これまでのアレルギー歴等をお聞きします。花粉症との関連が示唆される食物アレルギーもあるので、他のアレルギー疾患罹患歴も重要です。

血液検査

ある程度原因食物が特定できる場合には、採血検査を行います。
疑われる食物に対する特異的IgE抗体を測定します。
アレルゲン測定システムであるイムノキャップにより、測定したい原因抗原を指定し、血液中にある抗原特異的IgE抗体を検出します。
原因が特定できない場合や吸入抗原の検査も行いたい場合にはマルチパネルスクリーニングであるViewアレルギー39で同時に多項目の検査を行います。
図5にViewアレルギー39のパンフレット、図6に結果の一覧を示します。

最近ではアレルゲンの粗抗原に対する検査のみではなく、アレルゲンコンポーネントを用いることで、より精度がいい診断を下すことが可能になりつつあります。
小麦のω-5グリアジン、大豆のGlym4、ピーナッツのArah2などです。

これら血液検査は結果が出るまでに2~3日程度要します。

(図5)
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(図6)
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皮膚プリックテスト

食物アレルギーの原因と診断するための検査です。
検査用としての抗原液、あるいは食物そのものを用いて検査を行います。
手順(図7)
①抗原液を皮膚の上に滴下してプリック針を軽く押しつける、
あるいは直接食材にふれたプリック針を皮膚に押しつける
②同時に陽性コントロール、陰性コントロールも行います。
③15分後に皮膚に生じた紅斑、膨疹を判定します。
血液検査と同時に、あるいは血液検査で測定できない食物に対する即時型反応を検査する際に行います。
検査施行15分で判定します。検査当日に検査結果をお伝えできます。

(図7)
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当院では採血検査による特異的IgE抗体検査(イムノキャップ、Viewアレルギー39)、皮膚プリックテストを行っています。
採血検査による抗原特異的IgE抗体の測定は、検査できない食物があります。
皮膚プリックテストは当院では
小麦、牛乳、卵黄、卵白、エビ、カニの抗原液があり
これらは即日検査可能です。
そのほかの食物は持参いただければ検査可能です。

問診と採血、皮膚テストを行い原因食物の特定に努めています。

参考文献
1)平成27年度食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業報告書(外部サイトおよびPDF)
2)日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会:食物アレルギー診療ガイドライン2016. 協和企画、p24、2016
3)猪又直子:食物アレルギー―学童・思春期・成人.小児科診療87:1305-1313、2014
4)サーモフィッシャーダイアグノスティックス株式会社ホームページより

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