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老人性血管腫
老人性血管腫について
加齢に伴って生じる皮膚内の限局性の毛細血管増生です。
良性の後天性の病変で悪性変化は稀です。
周囲との境界が明瞭な紅色の限局性病変でわずかに隆起します。
病因
加齢にともない増加します。
妊娠を契機に多発した症例も報告されていますがその詳細は不明です。
疫学
若年成人期より生じ、年齢とともにその数を増します。
性差はありません。
症状
発生部位は胸部に多く、次いで背部、腹部、上腕に好発します。
多くの方では多発します(図1 Derm 101より)。
顔面にも生じますが、手足に出現することは稀です。
自覚症状のない1~5mmのドーム状に隆起した周囲皮膚との境界明瞭な鮮紅色丘疹です(図2)。
硝子圧で全ては消退しません。
ダーモスコピーでは血管の拡張と増生により血液成分の貯留があります。(図3)



病理所見
皮表より隆起する病変に一致し、真皮上部に、内腔が軽度に拡張した毛細血管の限局性増生が見られます。(図4)

血管内皮細胞の核が腫大し内腔面に突出する像や、一部では扁平化した血管内皮細胞が見られます。(図5)

治療
悪性化は稀であり、全身疾患との関連もないので無治療、放置でもよいですが、ご希望がある場合には局所麻酔を行い、切除する場合があります。