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単純疱疹(単純ヘルペス)
単純疱疹(単純ヘルペス)について
単純疱疹ウイルス(Herpes simplex virus)の感染症です。
口唇、外陰部などに有痛性の小水疱、びらんが生じます。
免疫低下状態、疲労、ストレス等が契機になり再発を繰り返します。
原因
単純疱疹ウイルスはI型とII型の2種類があり、口唇・口腔内病変はI型、陰部病変の大部分はⅡ型によって起きます。
初感染(ほとんどは不顕性感染)あるいは数回の再感染を経て、知覚神経節内にウイルスが持続潜伏感染します。
I型は三叉神経節、Ⅱ型は脊髄後根神経節に潜伏感染します。
個体の免疫低下などが誘因となりウイルスが再活性し発症します。
発症、再発誘因
単純疱疹(単純ヘルペス)は再発を繰り返すことが特徴です。
その誘因として日光照射、寒冷被曝、機械的・物理的刺激、発熱、精神的ストレス、疲労、免疫低下状態などがあります。
原因不明の場合もあります。
症状
口唇やその周囲に軽度の痛み、違和感が先行し、小紅斑が生じ、次第に水疱を形成します(図1)。
小水疱が集簇し、数日の軽快でびらんあるいは膿胞化します。その後痂皮となって改善します。瘢痕はできません。
口唇以外にも外陰部、臀部も好発部位です(図2、3)。
病変の所属リンパ節には有痛性腫脹を伴います。



診断
特徴的な臨床像と経過により診断します。
時にほかの水疱性疾患との鑑別が必要な場合があります。
その際は、水疱内容液を採取し塗沫標本検査を行い、ウイルス性巨細胞を証明します(図4)。

治療
抗ウイルス剤の投与を行います。
抗ヘルペス薬には
アシクロビル(ゾビラックス)、
バラシクロビル(バルトレックス)・・・アシクロビルのプロドラック
ファムシクロビル(ファムビル)・・・ペンシクロビルのプロドラック
ビタラビン(アラセナ、カサール)
があります。
軽微な再発型は局所外用療法を行いますが、多くの例では内服治療を併用します。
生活指導
発症後は疲労、ストレスを避ける日常生活を心がけます。
再発予防のためには強い直射日光を避ける、感冒の予防などを心がけます。
発症した場合にはできる限り早期より抗ヘルペスウイルス薬の服薬を開始します。