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広島市 南区 皮膚科 アレルギー科 アトピー性皮膚炎 にきび じんましん

伝染性紅斑(リンゴ病)

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伝染性紅斑(リンゴ病)

「伝染性紅斑」は両頬に鮮紅色の紅斑が生ずる特徴的な症状から「りんご病」とも呼ばれます。

原因

「伝染性紅斑(リンゴ病)」はヒトパルボウイルスB19の感染症です。
ヒトパルボウイルスB19は線状一本鎖DNAのエンベロープを欠く直径23nmの小型ウイルスです。

 

疫学


図1
(図1)
※クリックすると拡大画像が表示されます。

流行の大きな年は2001年、2007年、2011年、2015年で、4~6年の周期で大流行があります(図1)。
国立感染症研究所のデータでは、2015年は年間の患者さん数が過去10年間で最多となったと報告されています。
主に夏から秋にかけての流行です。
2015年では年末の冬に流行がありました(図2)。
発症年齢は多くは9歳以下の小児ですが、成人発症例も報告されています。

 

図2
(図2)
※クリックすると拡大画像が表示されます。
 

感染経路

潜伏期間は4~15日です。
飛沫感染もしくは接触感染により伝播します。
小児では集団生活の場での感染が多く、成人発症例で家庭内での感染の可能性が高いと想定されています。
感染1週間後程度でウイルス血症を起こし、発熱、咽頭痛などの感冒様症状が見られることがあります。
その時期にウイルス排出量が最大となります。
感染後2週間程度(感冒様症状の5-10日後)で皮疹が出現しますが、その時にはウイルス血症は改善し、感染力はありません。

 

皮膚症状


両頬に平手打ち様紅斑
(図3)

四肢の網目状紅斑
(図4)

顔面の皮疹
(図5)

紅斑、点状紫斑
(図6)

小児の感染では70-80%で皮膚症状が出現します。
両頬に平手打ち様紅斑(図3)と四肢の網目状紅斑(図4)が特徴的です。
5日から2週間ほど皮疹が継続します。
皮疹は、いったん消退後でも日光曝露によって再燃することがあります。
また、皮膚症状のない不顕性感染の頻度も比較的多いとされています。

 
成人の場合

成人では高熱を伴うインフルエンザ様症状が先行する場合があります。
皮疹の出現頻度は低く、30%程度です。
顔面の皮疹(図5)は少なく、四肢に網目状の皮疹が見られ、多くはかゆみを伴います。
そのほか風疹様の紅斑、点状紫斑(図6)が見られる場合もあります。
小児では関節痛は稀ですが、成人では60%程度にみられます。
関節痛の程度は軽いものから、腫脹、発赤、圧痛など明らかな関節炎所見が認められる場合など様々です。
急性対称性の多関節痛で、手指、足趾等の小関節に多く生じます。
関節痛は通常2-4週間で後遺症なく自然治癒しますが、稀に数カ月~数年にわたり遷延する場合もあります。

 

検査

パルボウイルスB19が赤芽球系細胞に障害を起こすために貧血所見が見られることがあります。
健常人では一時的に貧血が起こることがあります。
溶血性貧血の患者さんなどでは無形性発作が生じることがあります。
そのほか、肝機能障害や、カルジオリピンをはじめとする各種自己抗体の陽性、赤沈亢進、低補体血症を認めることがあります。

 

治療

一般には特別な治療は必要ありません。
発熱、関節痛に対しては対症療法が主体です。
ただし妊婦さんがパルボウイルスB19に感染した場合、胎児水腫を起こすことがあるので十分に留意が必要です。(なおパルボウイルスB19のIgM抗体検査は妊婦さんで保険適応があります)

参考
楠原浩一:小児のウイルス感染症―パルボウイルスB19感染症.MB Derma 236: 67-72, 2015
国立感染症研究所:IASR Vol.37 No.1(No.431)
清島真理子:伝染性紅斑.MB Derma 43: 15-20, 2000
V. Mage, et al: Different patterns of skin manifestations associated with parvovirus B19 primary infection in adult. J Am Acad Dermatol, 71: 62-69, 2014

(図3,4,5はA Clinical Atlas of 101 Common Skin Diseaseより)