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スギ花粉症に対する舌下免疫療法

舌下免疫療法

スギ花粉症を対象とした舌下免疫療法薬(シダトレン®)が平成26年10月に発売になりました。 当院でも発売当初より同薬による治療を行っております。

また平成27年10月より1回14日分を限度とする投薬期間制限が解除されたため、治療のための通院負担が軽減されました。

治療の機序や詳細はこちらをご参照ください。(外部サイト)

当院で行っている診断、治療までの流れを具体的に紹介します。

1.問診

シダトレンによる治療の対象は「スギ花粉症」の患者さんです(成人および12歳以上の小児です)。
「スギ花粉症か否か」を確かめるために、まず、問診で、スギ花粉飛散期に、くしゃみ、鼻のかゆみ、鼻漏、鼻閉の典型的鼻症状を有しているか、目のかゆみ等の眼症状を伴うかをうかがいます。

スギ花粉症であっても治療を受けられない方がいらっしゃいます。

  • 病因アレルゲンがスギ花粉症でない方
  • 本剤の投与によりショックを起こしたことのある方
  • 重症の気管支喘息患者さん
  • 悪性腫瘍、または免疫系に影響を及ぼす全身性疾患(例えば自己免疫疾患、免疫複合体疾患、または免疫不全症等)を有する患者さん

以上の患者さんは舌下免疫療法を受けることができません。

また投与の際、注意が必要な患者さんとして

  • 本剤の投与、またはアレルゲンエキスによる診断・治療、あるいはスギ花粉を含む食品の摂取等によるアレルギー症状を発現したことがある方
  • 気管支喘息の患者さん
  • 高齢者(65歳以上の患者さん)
  • 妊婦、産婦、授乳中の方
  • 非選択的β遮断薬服用中の方
  • 三環系抗うつ薬およびモノアミン酸化酵素阻害薬(MAOI)服用中の患者さん
  • 全身性ステロイド薬投与の患者さん
  • スギ花粉以外のアレルゲンに対しても反応性が高い(特異的IgE抗体値が高い)スギ花粉症患者さん

が挙げられています。
そのため、他に患っている疾患や服薬中のお薬を確認いたします。

2.検査

問診の後に検査を行います。
「スギ花粉症」は問診に加え、皮膚反応テストまたは特異的IgE抗体検査の結果を組み合わせ診断します。
以前、採血検査や皮膚テストでスギ花粉症であることを診断されている方はその結果をご持参ください(検査を省略することもできます)。
それらがない場合、当院では以下の検査を行います。

プリックテスト

前腕皮膚に少量のスギ花粉エキスを滴下し、その表面を微細に擦過して15分後に反応を確かめます。
(15分で結果が判明します)

特異的IgE抗体検査

採血を行い、血清中のスギ花粉に対するIgE抗体の値を測定します。
(結果判明には数日かかります)

これら検査を行い「スギ花粉症」であることを確定診断します。

3.薬剤説明

お薬について具体的に説明いたします。
まず理解いただきたい点は

  • 治療は長期間かかります(3~5年かかる治療です)
  • アナフィラキシー等が発現するリスクがあります。
  • すべての方に作用が期待できるわけではありません。

の3点です。

またスギ花粉飛散時期(1~4月ごろ)は治療を開始することはできません。

初回投与は当院で行い、30分程度待合室で待機していただきます。
副作用がないことを確認し次の日から自宅で服用いたします。

服用方法
  • 1日1回、舌下に滴下し、2分間保持した後、飲み込みます。
  • その後5分間は、うがい・飲食を控えます。
副作用
  • 主な副作用
    口内炎、舌下腫脹、 咽喉頭そう痒感、口腔内腫脹、 耳そう痒感、頭痛等です。
  • 重大な副作用
    ショック、アナフィラキシーです。
    非常にまれな副作用ですが、その前兆、その時の対処等は理解していただきます。
アナフィラキシーの前兆
服用上の注意

服用上の注意として以下の時は副作用と思われる症状の出現に注意する必要があります

  • 本剤服用後30分
    一般にI型のアレルギー反応は30分以内に発現します。
  • 投与開始初期(およそ1カ月)
    投与開始初期(およそ1カ月以内)に副作用の発現が多いことが報告されています。
  • スギ花粉飛散時期はアナフィラキシー等の発現に特に注意する
    スギ花粉飛散時期はスギ花粉抗原に対する過敏性が高まっている可能性があります。
次の時は服用せずに医師に相談してください
  • 喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいとき
    喘息発作時、気管支喘息の症状が激しいときに服用した場合、喘息症状が悪化するおそれがあります。
  • 急性感染症罹患時や体調が悪い場合
    体調が悪いときには服用により副作用の発現のおそれがあります。特に急性感染症罹患時には喘息症状を発現するおそれがあります。
  • 抜歯後等口腔内の術後または口腔内に傷や炎症等がある場合
    口腔内の状態によっては本剤の吸収に影響を与えるおそれがあります。また、本剤が傷や炎症部位に刺激を与えるおそれがあります。
そのほかの注意

そのほか、服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴等を避けてください。循環動態の亢進により、薬剤の吸収が促進され、副作用が発現するおそれがあります。

4.投与開始(初回投与)

初回投与は院内で行います。
スタッフの監視下で薬剤ボトルの準備を行い、実際に舌下に投与します。
2分間舌下に保持した後にのみ込みます。
その後30分間、院内に待機いただき、副作用の発現がないか、経過観察を行います。
30分経過し異常がないことを確認し帰宅可能です。

アナフィラキシー症状発現の場合の対処、副作用の詳細、実際の投与時の注意、保管時の注意等の説明も行います。

初診時に検査から初回投与まで行うと1時間から1時間半程度かかります。
シダトレン®によるスギ花粉症に対しての舌下免疫療法を希望の場合にはお時間に余裕をもってお越しください。