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シミ治療

トレチノイン、ハイドロキノン外用によるシミ治療

顔面には老人性色素斑、肝斑(図1)、遅発性両側性太田母斑様色素斑、炎症後色素沈着、雀卵斑などいろいろのシミが起こります。
このうち表皮角化細胞に色素沈着が起こる老人性色素班、肝斑(図2)、炎症後色素沈着、雀卵斑などを対象にトレチノイン外用剤、ハイドロキノン外用剤による治療を行っています。
なおいずれも自費治療です。

(図1)肝斑の臨床像
30~40歳代の女性の頰骨部を主体に左右対称性に生じる境界明瞭な淡褐色斑です。
(図2)肝斑の組織像
表皮基底細胞にメラニン顆粒が増加しています。

表皮の構造

表皮角化細胞は最下層の基底細胞層から最表層の角質細胞層へ分化し、“あか”となって脱落します。
基底細胞から角質細胞へ分化し脱落するまでは通常4週間程度です(図3)。
表皮基底細胞間にはメラニン色素を作る細胞であるメラノサイトが存在します(図4)。
メラノサイトでつくられたメラニン顆粒は基底細胞内に沈着し、その量が多くなるとシミの原因となります。

(図3)表皮の組織像
基底細胞から角質細胞まで細胞が分化します。
基底細胞が角質細胞を経てあかとなり脱落するまでは4週間程度です。
(図4)表皮内のメラノサイト
表皮基底細胞の間にメラニンを産生するメラノサイトが存在します。

トレチノイン外用の作用

トレチノインはビタミンA(レチノール)のカルボン酸誘導体であるレチノイドの一種です。
レチノイドは細胞核の受容体に結合し、細胞増殖に関わるいろいろの遺伝子の発現を調整します。
トレチノインの皮膚に対する作用は表皮角化細胞の強い増殖促進作用と分化促進作用です。
トレチノインを外用すると、表皮角化細胞が脱落するまでの時間(4週間)が短縮し、角質剥離が促進します。
角化細胞の増殖促進とともに基底細胞にあるメラニン顆粒も排出が促進されます。

ハイドロキノン外用の作用

シミの原因となるメラニン顆粒は表皮基底細胞間に存在するメラノサイト内で合成されます。
メラノサイト内ではメラノソームという酵素の働きでメラニン顆粒が作られます。
美白剤の多くはメラニンを消すわけではなく、メラノソームの働きを阻害し、メラニン生合成を抑えます。
ハイドロキノンの色素細胞に対する作用にはチロジナーゼ活性の抑制、DNAおよびRNA合成の抑制、メラノソームの分解、メラノサイトの破壊などの機序が想定されています。
このハイドロキノンを外用剤に配合し、メラニンの産生を抑えます。
ただしハイドロキノン外用では数%の頻度で皮膚炎が見られます。
外用部位に炎症症状が認められた場合、その症状を判断し外用を中止する必要があります。

トレチノイン外用剤でメラニンの排出を促し、併用するハイドロキノン外用剤でメラノサイトからのメラニン合成を阻害し、シミを治療します。

実際の外用方法

はじめは1日2回トレチノインとハイドロキノンを使用します。

  1. 洗顔後、化粧水を使用します。(その後高濃度ビタミンC誘導体ローションを使用することをおすすめしています)
  2. シミの部位にトレチノインクリームを外用し、1~2分程度乾かします。
  3. ハイドロキノンクリームをシミの部位より広めに外用してください。
  4. 朝お化粧を行う場合には日焼け止めクリームあるいはUVカット入りの化粧下地を塗ります。その後ファンデーションを使用してください。

トレチノイン使用開始後、治療部位の皮膚が赤くなり、垢のように皮膚がむけていきます。その後、徐々に赤みが増してきますが、シミは薄くなってきます。
始めの1~2週間は炎症が目立ちますが、徐々に改善していきます。
2~6週間程度継続し、その後ハイドロキノン単独に切り替えます。
治療期間の目安は8~12週間です。※作用には個人差があります。
治療作用に応じて2クール目の治療を、1ないし2カ月の間をおいて行うことができます。

肌の赤み、ひりひり感、かぶれなどの副作用が生じる場合があります。
なお妊娠中の方、授乳中の方、妊娠予定の方は使用できません。

料金※税込み(自費診療です)

0.05%トレチノインクリーム 5g 1,500円
0.1%トレチノインクリーム 5g
(初回は0.1%をおすすめしています)
1,800円
0.2%トレチノインクリーム 5g 2,500円
5%ハイドロキノンクリーム 5g 1,700円
ビタミンC誘導体ローション 50ml 2,500円

トレチノインクリーム、ハイドキノンクリーム、ビタミンC誘導体ローションの処方のみの目的で受診されたときは、別途初診察料が2,000円あるいは再診察料が1,000円必要です。