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爪白癬(つめはくせん)
爪白癬(つめはくせん)について
白癬菌(はくせんきん)いわゆる“みずむし菌”が爪に感染しておこる疾患です。
「つめみずむし」ともいわれます。
感染初期は爪の一部が黄色、白色等に変色します。
自覚症状はありません。
次第に爪全体に黄白色病変が拡大し、爪が肥厚、混濁します。
爪自体も脆くなります。
爪白癬のみでの自覚症状はありませんが、肥厚した爪が周囲組織を圧迫すると痛みを生じたり、靴の脱着や歩行に支障が生じたりします。
また足白癬(あしはくせん、いわゆる“みずむし”)の感染源となり、高齢者では化膿性爪囲炎の原因となることもあります。
頻度
日本では常時1000万人以上の爪白癬患者がいると言われています。また、爪白癬、足白癬は年齢とともに感染率が増加します。1)そのため、ご高齢の方の白癬では足と爪を観察することが必要です。
症状
いくつかの病型があります。
Superficial white(図1)
爪表面に黄白色の変色があります。

Subungual(図2)
爪の下に角質が増殖して爪が肥厚します。

Dystrophic(図3)
爪が白濁、混濁し脆くなります。

Mixed(図4)
上記の爪の変化が混在しています。

診断
病変部位を削り取り顕微鏡下で観察して白癬菌を証明します(図5)。
削り取った組織片が少ない場合には白癬菌が証明できないこともあります。
できるだけ多くの病変を採取します。
爪白癬以外の疾患も爪白癬と類似した所見を呈します(図6:爪異栄養症です。爪白癬ではありません)。
他疾患との鑑別が重要なので顕微鏡検査は必須です。


治療
イトラコナゾールあるいはテルビナフィンの内服治療が原則でした。
2014年に爪白癬に適応のある外用剤であるエフィナコナゾール外用液が発売になりました。
1日1回罹患爪全体に塗布する外用剤です。
併用薬や肝機能障害の可能性等により内服治療を避ける必要があった方も治療が可能となりました。